県内来春高卒求人1.39倍 人手不足顕在化で最高水準


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 沖縄労働局(西川昌登局長)は9日、2023年春の高校卒業予定者に関する求人・求職状況(22年7月末現在)を発表した。管内の求人倍率は前年同期比で0・31ポイント上昇の1・39倍だった。16年連続全国最下位となったが、比較可能な2003年7月時点以降の調査では最も高い水準となった。新型コロナウイルス感染対策と経済活動の両立が進む下で入域観光客が回復傾向にあり、さまざまな業種で人手不足が顕在化したことで企業の採用意欲が高まっている。

 新規高卒者の就職希望者数は前年同期比5・6%増の1771人で、求人数は同35・5%増の2465人だった。需要回復に伴う求人数の増加が求人倍率を押し上げた。

 産業別の新規求人動向を見ると、観光に関連する宿泊業・飲食サービス業が前年同期比92・2%増、運輸業・郵便業が同2倍、生活関連サービス・娯楽業が3・4倍と高い伸びを見せている。

 西川局長は「人手不足感が強まる中、優秀な人材を確保したい企業が早期に求人提出する傾向が強まっている」と指摘。早期提出で業界や企業を分析する時間が生まれ、定着率向上にも有効との見方を示した。求人数について「20年3月卒は2914人のため、コロナ禍前の水準には達していない。需要回復に伴い、企業の採用動向を注視する必要がある」と語った。

(小波津智也)