動物病院用の電子カルテ開発 アルシ(横浜) 会計と一括、飼い主も閲覧可


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アルシと琉球ネットワークサービスが開発した動物病院向け電子カルテのイメージ図(提供)

 横浜市で動物病院を経営する県出身の上地正実氏が新たに設立したArsci(アルシ、横浜市)と琉球ネットワークサービス(那覇市、上原啓司社長)は9日、県庁で会見を開き、動物病院向けの電子カルテを開発したと発表した。既存の電子カルテは顧客や会計管理のみで、動物の症状などが管理できる電子カルテは業界初だという。

 動物病院では紙媒体の手書きカルテが主流で、カルテの書き方などは個人差があった。治療を受ける動物の数が増えると保管場所が確保できないなどの問題が生じた。

 そこで、予約や症状、処方箋、会計などを一括で管理できるシステムを作ろうと考えた。上地社長が出身地の沖縄の会社と提携したいと考え、琉球ネットワークサービスと開発した。

電子カルテを開発したアルシの上地正実社長(中央)、琉球ネットワークサービスの上原啓司社長(左)、嘉手納亘部長=9日、県庁

 この電子カルテの利用で病院側の管理がしやすくなるだけでなく、スマホアプリと連携したQRコードを読み取ることで、飼い主も電子カルテを閲覧できる。将来的にはブログなどで同じ病気を持つ飼い主との情報共有もできるようになる。

 上地社長は「病院に同行していない家族もアプリでペットの様子を正確に把握することができるようになる」とアピールした。

 電子カルテの導入金額は各病院の規模などに応じて変わる。11月頃をめどに県外11施設で導入予定で、今後県内でも展開していく。 (與那覇智早)