【宜野湾市長選の勝因・敗因】松川氏、安定的な市政運営に評価 仲西氏は政策実現性に課題


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宜野湾市長選で当選確実となりバンザイ三唱をする松川正則氏(前列左から3人目)=11日午後9時57分、宜野湾市大謝名の選挙事務所

 【宜野湾】任期満了に伴う宜野湾市長選は11日投開票され、無所属現職の松川正則氏(68)=自民、公明推薦=が2万9664票を獲得し、再選を果たした。「9・29県民大会の会」会長で無所属新人の仲西春雅氏(61)=共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦=に1万1206票差をつけた。

 米軍普天間飛行場の返還・移設問題では、同日の県知事選で名護市辺野古への新基地建設に反対する玉城デニー氏(62)が再選したが、宜野湾市長選で政府与党の推す松川氏が勝利したことをてこに、政府は辺野古移設を進めることが確実視される。投票率は63.49%で18年の64.26%を0.77ポイント下回った。

 松川氏は、コロナ下の経済再生を最重要政策に掲げるなど市民生活を重視する姿勢で浮動票を獲得した。移設を容認している普天間飛行場問題では一日も早い閉鎖返還や危険性の除去、進行中の跡地開発などを訴え、支持を広げた。仲西氏は辺野古移設反対で支援組織などの票は固めたものの、その他の政策で財源を明確化できなかったことなどが響いた。

 宜野湾市の当日有権者数は7万7587人(男性3万7211人、女性4万376人)
 (新垣若菜)


 松川 正則氏(まつがわ・まさのり) 1953年9月生まれ、宜野湾市野嵩出身。琉球大短期大学部卒。市職員を経て、2018年9月の市長選で初当選。