宜野湾市長に再選・松川氏に聞く 普天間飛行場移設問題や市の将来のビジョンは? 返還時期明確化を政府要請へ


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 【宜野湾】11日に投開票された宜野湾市長選では現職の松川正則氏(68)が再選した。松川氏に重点政策や普天間飛行場問題、市の将来ビジョンなどを聞いた。 (聞き手・新垣若菜)

2期目を前に語る松川正則宜野湾市長=12日、同市役所

 ―当選の受け止めを。

 「3万票近くの支援をいただいて改めて身が引き締まる。辺野古移設を容認せざるを得ないと発信している。基地問題に関して市民の『何とかしてほしい』という思いがあって、票につながったと考えられる。市民生活向上を何とかしてほしいとの思いも大きいだろう。さらに頑張ってほしいとのエールと受け止めている。相手候補に入れた市民の声も聞けるよう、今後しっかりやっていきたい」

 ―勝因は。

 「市民生活の向上を訴えていたことが大きいのではないか。また、これまでの実績を理解、評価していただいた。市が良くなっていると市民が実感しているように感じる。遊説でも市民からの反応が非常に良かった」

 ―真っ先に取り組みたい重点政策は。

 「市民生活の向上が一番。すでに始めている事業もあるが、できることは何かを考え、財源をしっかり確保したい。引き続き公共事業に取り組む。事業者が元気だと街が元気になる。経済をうまく回したい」

 ―普天間飛行場問題への対応は。

 「移設は容認せざるを得ないと発信している。市民の(飛行場を)どうにかしてほしいとの思いもある。9月定例会が始まる前にでも政府に今回掲げている、返還時期の明確化や辺野古への機能移転などの政策が実現できるよう要請に行きたいと考えている。県の方にも市民の負担軽減に向け、どういった形があるのかもう一度考えてみましょうと意見交換に行きたい」

 ―市の将来ビジョンは。

 「普天間飛行場がど真ん中にあるので非常に厳しい環境だが、返還の道筋がつけられたら、跡地開発は県を挙げての大事業になる。経済の大きな活性化にもつながる。そういう素晴らしい街づくりができればと思う。待っているだけでは4年間はあっという間に終わるので、土台づくりをしっかりしたい。国が動くのを待っているのではなく、自ら動き出して予算も人材も確保したい。新しい制度づくりも(政府に交渉して)取り組む。やることがいっぱいある。これからさらに元気な街になる」

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 松川 正則氏(まつがわ・まさのり) 1953年9月生まれ、宜野湾市野嵩出身。琉球大短期大学部卒。市職員を経て、2018年9月の市長選で初当選。