「ガラス張りの村政を実現する」大宜味村長選で初当選 友寄景善氏に聞く


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 11日に投開票された北部3町村の首長選は、本部町が無所属現職の平良武康氏(72)、大宜味村が無所属新人の友寄景善氏(67)、伊是名村が無所属新人で前副村長の奥間守氏(68)がそれぞれ当選を果たした。3人に抱負などを聞いた。

初当選し抱負を語る友寄景善氏=12日、大宜味村上原

 ―三つどもえの選挙を制しての初当選。勝因は何か。

 「現村政に反対する候補がもう1人立ったことで、共倒れを懸念した。しかし支持者が支援の輪を広げ、いったんは流れた票が戻ったり新たな票が掘り起こされたりするなど良い流れが生まれた。私の力というより、現村政の不透明な事業執行への疑念、不満が大きく、『健全な村政』を願う村民の受け皿になった」

 ―公約に掲げる「子育てしやすい村」をどう進めるか。

 「地域で子どもを育てる環境を整える。『保護者支援推進班』を新設し施策を展開する。保護者が悩みを相談できる場を設け、子育て支援センターの一時預かり機能などを充実させる。給食費無償化など、保護者の経済負担も軽減したい」

 ―経済振興をどう図るか。

 「『ものづくり』の村だ。織物や木工などの小規模事業所の活性化へ、イベント広場を整備する。産業まつりなどを開催して販路を拡大する。企業誘致も村民の理解を得て積極的に進める。特産のシークヮーサーは単価を上げる」

 ―業者が村を訴えたバナメイエビ事業への対応は。

 「住民への丁寧な説明などがないまま事業を進めた村の対応がおかしかった。現村長の責任は大きい。経緯を再確認し、判決を待たず業者と話し合って着地点を見いだしたい。訴訟先を村から現村長個人に変えてもらうことも視野に入れている。塩屋小跡地は住民の憩いの場として活用し、エビ養殖は(業者が望めば)別用地を検討したい」

 ―現村長派が多数を占める村議会にはどう対応するか。

 「時間はかかるだろうが、村づくりの考えを丁寧に説明し、協力体制を構築したい」

 ―4年間の抱負は。

 「村民の声を聞き、独断にならぬよう職員と心を一つに村政運営する。村民が望むガラス張りの村政を実現する」
 (聞き手 岩切美穂)

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 ともよせ・けいぜん 1955年2月15日生まれ、村上原出身。琉球大卒。村役場職員として経済課長などを歴任。2011年から15年まで村教育長。18年から村議を1期務めた。