沖縄の未来へ情熱 琉球新報賞贈呈式 5氏が感謝と喜び語る


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壇上の琉球新報賞受賞者に温かい拍手を送る招待者=15日夜、那覇市泉崎の琉球新報ホール(ジャン松元撮影)

 那覇市泉崎の琉球新報ホールで15日に開かれた第58回琉球新報賞の贈呈式。受賞者らは沖縄への思いを熱く語り、家族や共に歩んできた人々らと喜びを分かち合った。新型コロナウイルスの影響で招待客を限定し、規模を縮小した。137人が来場した。

 県政・国政の場で地域振興に尽力した嘉数知賢さんは「ウチナーンチュが誇りを持って生きている沖縄にしたいと政治家になった。これからもウチナーンチュの心を持って頑張ろう」と呼びかけた。

 労働者の権利向上に貢献した渡久地政弘さんは「働く人の労働条件改善や生活向上は有意義で価値あるものと確信してきた。今回の受賞は労働運動に関わった全ての人に与えられた賞と捉えている」と喜びを仲間と分かち合った。

 経営の多角化と人材育成に挑んだ上地哲誠さんは「創業者・社員・沖縄の環境に恵まれた。これからも感謝しながら、幸せを共感する企業づくりに尽力したい」と語った。

 子どもの自主性を重んじる教育を追求してきた山内彰さんは「これまでを振り返ってうれしいことは、関わったことが今も継続していることだ。これからも学生たちと未来を語り合い、微力ながら本県の人材育成に貢献したい」と意欲を見せた。

 琉球古典音楽の技芸を磨き、後進を育成してきた中村一雄さんは、故郷の久米島や職場の理解・協力に加え、琉球古典芸能コンクールを主催する琉球新報社のおかげで歌三線を続けることができたことに触れ、感謝した。「芸能に関わる皆さんを代表して受賞した」と語った。
 (金盛文香)