豆腐の注文受け付けます!高齢者の声受けて週3回 沖縄市・園田自治会


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手渡された豆腐を前に「いつでもおいしく食べられる」と喜ぶ利用者と末吉裕子会長(後列左端)=7日、沖縄市園田自治会公民館

 【沖縄】「くわっちぃーしみそうれー(おいしくいただいてください)」。沖縄県沖縄市の園田自治会(末吉裕子会長)が今年2月から豆腐販売の受け付けを始めた。粋な計らいは高齢者を喜ばせている。

 豆腐は沖縄の家庭料理や伝統料理に欠かせない食材。その豆腐を扱っていた区内のまちやぐわぁー(個人商店)が、事情で仕入れ販売ができなくなったという。

 困ったのは、豆腐好きの高齢者たち。しかも「この豆腐以外は食べたくない」というほど評判が高いうるま市志林川の業者の製造で、スーパーなどでは販売されていないという。

 高齢者は運転が難しい人もおり、遠くまで買い物に出かけられないことから「でーじなとん(困ってしまう)」との声を受け、自治会が豆腐販売の注文受け付けを開始した。

 公民館事業の生きがいデイサービスや百歳体操の日を中心に月、水、金の週3回、購入希望者から自治会が注文を受けて業者が納入、販売している。

 1週間で平均15丁の豆腐のほか、最近はゆし豆腐、厚揚げ、豆乳の注文も入る。利用者の1人、宮平まさ子さん(74)は「豆腐、ゴーヤー、野菜チャンプルーの3品は毎日食べてもあきない。すぐ手に入るので自治会に感謝している」と笑顔を見せた。

 末吉会長は「高齢者が暮らしやすい環境づくりは自治会の大きな役目です」と手応えに表情を緩めていた。

(岸本健通信員)