大宜味村で平良敏子さん告別式「芭蕉布発展見守って」


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芭蕉布の伝承に力を注いだ人間国宝・平良敏子さんに手を合わせる参列者ら=16日、大宜味村喜如嘉の大宜味村火葬場

 13日未明に101歳で死去した国指定の重要無形文化財「芭蕉布」保持者(人間国宝)で長年、大宜味村喜如嘉の芭蕉布の継承・発展に尽力した平良敏子さんの告別式が16日、同村喜如嘉の大宜味村火葬場で執り行われた。村民や織物関係者らが多数参列し、火葬場の前の国道58号は一時渋滞した。

 宮城功光村長は「100歳を超えても芭蕉布の伝承に取り組まれた平良さんは村の誇り。天国からきっと芭蕉布の発展を願って見守ってくれているだろう」と述べ、冥福を祈った。合掌して平良さんを見送った県立博物館・美術館主任学芸員の與那嶺一子さんは「とてもお世話になったのでお礼をした。これからの芭蕉布の発展を見守ってほしい」と目を潤ませた。

 母親が平良さんの親友だという知念睦子さん(74)=フランス在住=は「幼少期からかわいがってもらい、工房や手仕事をよく見学させてくれた」と振り返り「高齢になられても喜如嘉で芭蕉布を後世に残すため技術の伝承を続けてくれた。感謝の気持ちでいっぱいだ」と話した。 (松堂秀樹)