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〈123〉高度肥満症治療 手術も年々増加傾向

 食生活が豊かになった昨今、世界の約3割の人口が過体重もしくは肥満とされており、世界各国で問題となっています。日本では男性の33%、女性の22.3%が肥満とされています(2019年 国民健康・栄養調査報告)。

 日本肥満学会ではBMI25以上を肥満、BMI35以上を高度肥満と定義しています。また肥満に起因した、あるいは関連した疾患や内臓脂肪蓄積を有する場合を肥満症と定め、減量治療が必要な状態としています。肥満はさまざまな生活習慣病の危険因子であり、少なくても11の関連疾患があります。具体的には(1)耐糖能障害(2型糖尿病)(2)脂質異常症(3)高血圧(4)冠動脈疾患(5)高尿酸血症(6)脳梗塞(7)脂肪肝(8)月経異常・不妊(9)睡眠時無呼吸症候群(10)運動器疾患(11)肥満関連腎臓病があることが分かっています。

 特に高度肥満症の場合はこれら関連疾患や心理的・精神的問題がみられることが多く、10~30年の10年単位でQOL(生活の質)の低下や生命予後が不良となると言われています。

 肥満の改善方法には食事療法、運動療法、認知行動療法(摂食行動の問題を分析し、修復・管理する)、薬物療法、外科治療があります。

 肥満症の治療目標が体重の3%の減量であるのに対し、高度肥満症は5~10%の減量が必要とされています。高度肥満で2型糖尿病や高血圧、高脂血症、睡眠時無呼吸症候群など一定の条件を満たせば外科治療も選択枝の1つとなります。

 肥満症手術は2014年に保険適応となり、手術件数は年々増加傾向で、一定の効果を認めています。また肥満症手術は糖尿病の改善にもすぐれており、2020年からBMI32・5以上の一定条件を満たす血糖コントロール不良な糖尿病に対しても保険適応となりました。

 沖縄県は肥満症の人口が多く、肥満症手術の件数が全国でも2、3番目に多い状態です。今こそ積極的な肥満症に対する取り組みが必要と考えられます。

(仲里秀次、赤十字病院 外科)



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