沖縄で日本最大級のSDGsイベント開催 環境セミナーではウミガメ生態と保全を議論 HAPPY EARTH FESTA2022


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ウミガメの生態、増減の要因などを解説し、持続可能な海洋経済活動について議論する沖縄美ら島財団の河津勲さん(左端)や日本ウミガメ協議会の亀田和成さん(左から2人目)ら=20日午後、那覇市久茂地のOkinawa Innovation Lab

 国連の持続可能な開発目標(SDGs)の推進と達成への意識を高める日本最大級のイベント「HAPPY EARTH FESTA2022」が17~25日、県内各地で開かれている。国連総会の会期に合わせた「SDGs週間」と位置付けた取り組み。「私にもできるSDGs~幸せな未来を共創しよう~」をテーマにセミナーやビーチクリーン、環境に配慮した物産販売などの各種催しが展開されている。

 「HAPPY EARTH FESTA2022」の環境セミナーが20日、那覇市久茂地の沖縄銀行本店みらいおきなわ内「Okinawa Innovation Lab」で開かれた。絶滅が危惧されるアオウミガメの生態と保全、増えている原因と持続可能な海洋経済活動について研究者らが議論した。ウミガメの増減の要因は表裏一体で、科学的な根拠を基にした対処が必要であることを強調した。

 沖縄美ら島財団総合研究センター上席研究員の河津勲さんはウミガメ3種の生態を解説した。ウミガメが減っている要因として海岸開発による産卵できる砂浜の減少、生態を考慮しない卵の移植・子ガメの放流、混獲・漁獲を挙げた。また、卵からかえった子ガメが光に向かう習性から砂浜近くの街灯に引き寄せられ、海に出ず道路に出て事故死する状況も指摘した。

 日本ウミガメ協議会主任研究員・学芸員の亀田和成さんは竹富町黒島での研究を紹介した。アオウミガメが増えた要因として漁師が減ったことによる漁獲数・食用の減少、天敵であるサメの駆除を挙げた。アオウミガメが増えた結果、主食である海草が減り、そこに生息していた小魚も減っていること、ウミガメが絡まった漁網が破損する被害が発生していることを報告した。
 (渡真利優人、安里周悟)


 「HAPPY EARTH FESTA2022」のセミナー、プログラムなどの模様は動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信される。https://www.youtube.com/channel/UCbPQhdfhOqzK1iWqy2cJtugからアクセスできる。