10月23日投開票の那覇市長選に立候補を表明していた元ボクシング世界王者で会社代表の平仲信明氏(58)が9月22日、出馬の取りやめを報道各社宛ての文書で発表した。文書では理由について、父の信一さんが13日に亡くなったことが「日に日に私の心に重くのしかかり、選挙戦よりも喪に服すべきと判断した」と説明した。
平仲氏は14日に記者会見を開いて市長選への出馬を表明していた。文書で平仲氏は「立候補表明に対して叱咤(しった)激励や批判など多くの声が寄せられた。注目していただいた皆さまに申し訳ない」とつづった。「市民には『しがらみのないクリーンな市政』に取り組める候補者を選んでほしい」とした。
平仲氏を支援していた、不動産業などを手掛けるRJグループの一丸秀信会長は22日、取材に対し、ほかの候補を擁立する予定について「現時点ではない」と話した。
那覇市長選では「オール沖縄」勢力が擁立する前県議の翁長雄治氏(35)、自民党が推薦する前副市長の知念覚氏(59)も立候補を予定する。平仲氏の辞退により一騎打ちの公算が大きくなった。
(伊佐尚記)