島野菜の「ぬちぐすい御膳」が特別賞 高校生和食大会で浦添工業の2人が受賞


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審査員特別賞を受賞した浦添工業高校チームによる「ぬちぐすい~命薬~御膳」(提供)

 全国の高校生が和食の腕前を競う全日本高校生WASHOKUグランプリ2022(同開催委員会主催)の決勝大会が8月、石川県金沢市で開かれた。浦添工業高校調理科3年の玉城碧美さん(17)と比嘉麻鈴さん(18)による、沖縄の伝統島野菜を多く使った作品「ぬちぐすい~命薬~御膳」が審査員特別賞を受賞した。

 応募作品のテーマは「出汁(だし)を使った和食」。料理や器、盛り付けで独自性を表現する。全国の応募から6チームが決勝大会に進んだ。2人は「医食同源」の考えを大切に、豚肉とかつお節、昆布のだしを使った献立を考案。おいしく、体にも健康的な料理を追求した。

 献立は、よもぎご飯や島豚の薬草巻き・水雲巻き、自家製地豆豆腐、クスイムン汁など。教員やプロのアドバイスを受けながら、放課後や夏休みに調理練習を重ねた。クスイムン汁に使うレバーは、酒と塩をもみ込んだ後にお湯で洗って臭みを取った。よもぎご飯のヨモギは、風味を生かすためご飯を炊いた後に加えるなど工夫した。

審査員特別賞を受賞した浦添工業高校調理科の玉城碧美さん(左から2人目)と比嘉麻鈴(同3人目)ら=12日、同校

 前回最高賞に輝いた同校の先輩が、副賞で受けた金沢の器を活用した。作品は審査員から高評価を得たという。審査員特別賞の受賞チームは、金沢市内の料亭で調理技術指導や食事を体験できる。

 大きな舞台に「緊張した」と声をそろえた2人。パティシエを目指す玉城さんは「コンビニおにぎりでも味を比べて研究することで、味覚が鍛えられるという審査員の話が印象に残った。今後に生かしたい」と笑顔を見せた。日本料理の調理師を志す比嘉さんは「時間内に調理してお客さんに食べてもらうことなど調理現場の心構えを学ぶことができた」と充実した様子で語った。

(吉田早希)