映画「沖縄久高島のイザイホー」をデジタル化 歌謡に訳や字幕を付け深い理解へ 10月8日より桜坂劇場で上映


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 文化財映像研究会は2022年デジタル・リメーク版の映画「沖縄久高島のイザイホー」(79年、岡田一男監督)の上映会と、イザイホー映像デジタル化プロジェクト第1回報告会をこのほど、那覇市ぶんかテンブス館テンブスホールで開催した。沖縄県内での上映は10月8日から那覇市の桜坂劇場で公開される。

「沖縄久高島のイザイホー」2022年デジタル・リメーク版(文化財映像研究会/東京シネマ新社)

 同作は1978年12月に知念村(現南城市)久高島で行われたイザイホーを関係者の協力を得て、祭祀(さいし)が始まる1カ月前からの準備期間、4日間の本祭、祭り後に行われる年中行事まで儀礼過程を詳細に記録。祭祀歌謡をより深く理解できるように、原音カタカナ表記や現代語訳をつけ、字幕がつけられた。

 2022年版の映画は110分にまとめられたが、全体の記録映像は約17時間に及ぶ。報告会では岡田監督が21年にクラウドファンディングなどから集まった支援などから、16ミリのカラーフィルムで撮影した映像のデジタル化や製作経緯を報告。データの整理やデジタルアーカイブ化を進める上で課題を説明した。また、映画での使用は見送られたものの、20分弱の記録映像を公開し解説した。

 後半は、岡田監督、真喜屋力氏(沖縄アーカイブ研究所主宰)、久万田晋氏(県立芸大教授)、宮里千里氏(沖縄民俗祭祀採音者)、波照間永吉氏(沖縄文化協会会長)が、学術的な視点からイザイホーやデジタルアーカイブについて意見を交わした。

 劇場公開を記念して、沖縄県内の書店、南城市観光協会で、期間限定特別価格4500円のDVD(小冊子つき)の販売も予定している(500部限定)。

 問い合わせは文化財映像研究会(電話)03(3811)4577。メールアドレスinfo@tokyocinema.net

 また、10月8日午後5時からジュンク堂書店那覇店で岡田監督と真喜屋氏が登壇するトークイベントがある。入場無料。

(田中芳)