商品の企画、輸出入を手掛けるリウボウ商事(那覇市、糸数剛一社長)は、出荷量減少が続く泡盛の復興を目的に、泡盛プロジェクトに取り組んでいる。欧米富裕層向けに開発した第1弾商品3点がこのほど、世界最大規模の食の品評会「グレートテイストアワード」で三つ星と二つ星を受賞した。同社によると、国産酒では初の受賞という。関係者は海外市場での泡盛の可能性を確認した。受賞商品で英国、米国の市場獲得を目指す。
泡盛プロジェクトは、リウボウ商事が戦略立案、全体の総括を担う。神村酒造、忠孝酒造、ヘリオス酒造の3酒造所が製造に協力し、泡盛コンシェルジュの比嘉康二氏が商品を監修する。クリエイティブチームも加え、新たな戦略で泡盛の市場拡大を狙う。
29日に会見したリウボウ商事の糸数社長は「沖縄の文化である泡盛が廃れるのは沖縄のブランド力低下にもつながる。海外の富裕層向けにこれまでとは違う売り方をして、泡盛の認知度を高めていきたい」と話した。
今後は英国、米国での市場調査とテストマーケティングを実施し、2023年度から本格的に輸出する。
グレートテイストアワードは英国で毎年行われ、世界中から1万点以上のエントリーがある。三つ星を獲得したのは忠孝酒造の「琉忠」(アルコール度数43度、税込み3万780円)。古式泡盛製法で作られた16年古酒と県産マンゴー果実酵母を使用した9年古酒をブレンドしている。
二つ星獲得はヘリオス酒造の「琉陽」(40度、8100円)と、神村酒造の「琉神」(50度、6750円)。
海外では泡盛の分類される蒸留酒市場が急拡大している。3商品について比嘉氏は「40度以上の高濃度であり、食後酒として楽しめる泡盛らしい酒を選んだ」と説明した。パッケージデザインも富裕層を意識し、芸術性のあるデザインとなっている。
(玉城江梨子)