【辺野古問題取材班】米軍基地建設が進む名護市辺野古に29日、福島県の鈴木修一郎さん(69)、文江さん(70)夫妻が訪れた。2人は「福島の原発事故と沖縄の基地問題に共通しているのは『人ごと』と捉えている人が多いことだ。沖縄の現状を全国に知ってほしい」と訴えた。
修一郎さんは材木会社に勤務していたときに東日本大震災に遭った。原子力発電所の近くではなかったため、会津若松市の自宅や勤務先に被害はなかったが「福島県産は放射能汚染されている」という風評被害が材木にも及び、売り上げが激減したという。
夫妻は観光で本部町に宿泊中で「辺野古の様子を見てみたい」と初めて訪れた。修一郎さんは「政府には沖縄に向き合う姿勢が全くない。方針に従わなければ補助金を減らすというやり方は脅迫に近い」と指摘した。文江さんは「米軍絡みの事件事故が発生しても、泣き寝入りにせざるを得ない状況をつくっている日米地位協定は見直すべきだ」と訴えた。
(松堂秀樹)