沖縄県、国に弁明書を提出 辺野古サンゴ移植めぐり


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名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部=2022年3月

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局が申請していた大浦湾側の小型サンゴ約8万4千群体などの特別採捕(移植)許可申請を県が不許可としたことを巡り、県は5日、不許可が適法だと主張する弁明書を農林水産省に提出した。防衛局が不許可処分の取り消しを求めて農相に申し出た審査請求手続きへの対応の一環。

 県は、サンゴの生息域周辺に軟弱地盤があり、現行の埋め立て承認では工事が不可能なことから、サンゴ移植も必要性がないと主張した。

 防衛局は、昨年県に提出した埋め立て承認の設計変更申請を県が承認しないことは「違法」と主張する。これに対して県は「設計変更の不承認は国土交通相の裁決で取り消された上、変更承認指示や是正指示が出されている。しかしこれらは現在係争中で、現時点において変更承認処分がなされていないことは違法ではない」と反論した。

 防衛局の審査請求を受け、審査を担当する農林水産省の審理員は県の主張を述べる機会として、弁明書を出すよう求めていた。弁明書は県のウェブサイトで近く閲覧できる。
 (梅田正覚)