社員の9割が在宅勤務 数か月に一度、飛行機で出社する社員も 競争力を高める「ちゅらデータ」の秘密


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社員の9割がリモートワークをするちゅらデータのオフィス=9月28日、宜野湾市

 ちゅらデータ(宜野湾市)では、社員の9割が在宅勤務(リモートワーク)をしている。技術革新がめまぐるしいIT業界で、県外在住の高い技術を持つ個性豊かな社員が働きやすい環境を整えることで採用面での競争力を高め、沖縄の課題とされてきた地理的不利性を乗りこえ「稼ぐ力」を高めている。同時に、地元採用の若手の技術力向上も図っている。

 同社の社員のうち、地元採用者は約3割、U・Iターン者が約4割、県外在住でフルリモート勤務をする社員が約3割となっている。

 4月に入社した益田敏治氏は神戸市在住だ。「面接官が変なTシャツを着ていて面白い人だったことと、全業務がリモートワークできることが入社の決め手だった」と説明した。2月に転職してきた名古屋市在住の小林健人氏は「新卒からフルリモート勤務の会社で働いており、もうオフィスに出勤する会社では働けない」と話した。

 同社は県内在住の一般社員もリモート勤務をしており、社内のコミュニケーションはチャットツールやビデオ会議システムを通じて行う。その上で交通費は月額上限10万円を支給する。数カ月に一度、県外から飛行機に乗って出社する社員がいる一方、県内在住でもほとんど出社せずにオンライン上でやりとりする社員もいる。コミュニケーション面で業務に支障は出ていないという。

 真嘉比愛社長は「テレワークが普及したコロナ禍を経て、企業もエンジニア側も仕事をする会社を場所で選ばなくなってきた。企業がいかに多様な働き方を認めるかが採用競争力につながっていると感じる」と語った。
 (梅田正覚)


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