松田さん夫妻、貴重な芸能音源発見 CD化し保存


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
古典音楽や民謡、組踊などの音源を南風原文化センターに寄贈する松田良一さん(左端)=20日、同文化センター

 【南風原】神奈川県横浜市で芸能活動をしている松田良一、美律枝さん夫妻が20日、南風原文化センターを訪れ、舞踊研究所から見つかった古典音楽や民謡、組踊が記録された音源を同センターに寄贈した。1948年ごろから70年までの間に記録されたとみられる。辻の芸能者を研究している仲村善信さんが、川崎市などで琉球芸能の普及に貢献した、山入端つるさんの歌声を確認した。

 松田夫妻は神奈川で琉舞の普及に取り組んだ佐久川昌子さんに師事。現在は佐久川さんの舞踊研究所を継ぎ、沖縄舞踊渡嘉敷流昌扇会の師範として活動している。
 ことし6月、仲村さんからの依頼で音源を探していたところ、稽古場の押し入れから、箱に保管されたオープンリール25本が見つかった。
 松田良一さんは「師匠の佐久川は山入端さんの地謡で踊っていた時期がある。沖縄芸能の貴重な宝であってほしい」と話した。
 山入端さんが歌っているのは8曲ほど、他は男性や男女一緒の歌声が記録されている。仲村さんは「1948年ごろから70年までの間に録音されたと推測している。山入端さんの声にほぼ間違いない」と語った。
 見つかった音源は南風原文化センターが業者に依頼し、CDに録音した。同センターは古典音楽や民謡の歌声を記録したSPレコード600から700枚を保管している。同センター学芸員の平良次子さんは「誰でも聴けるように検索機能を整え、整理していきたい」と話した。