「体験して終わり」にならない学びを SDGs修学旅行、全国発売へ 社会人向けも 旅行3社とOSP


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「OSPラーニング・ジャーニー」について報告する(左から)日本旅行の三浦次朗さん、元安伸仁さん、近畿日本ツーリスト沖縄の石井雄斗さん、阪急交通社の工藤弘樹さん、濱崎和則さん=14日、那覇市泉崎の琉球新報ホール

 国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)を推進する企業・団体のネットワーク「OKINAWA SDGsプロジェクト」(OSP、事務局・琉球新報社、うむさんラボ)と、OSPに参加するパートナー企業の旅行業3社が共同で企画した修学旅行や研修旅行のプログラムが14日までに完成した。「OSPラーニング・ジャーニー」と題し、SDGsや社会課題に関連した現場や実践例を学び、課題解決を「自分ごと」と捉える旅を目指す。各地に拠点がある旅行業3社が10月中にも全国で販売開始する。

 販売窓口は日本旅行、阪急交通社、近畿日本ツーリストの3社。14日に沖縄県那覇市の琉球新報ホールで開かれたOSPの第2回カンファレンスで、3社とOSPの事務局が概要を報告した。

 OSPの活動に参加しているパートナー企業約70社のネットワークを生かし、企画した。事前事後の学習を盛り込み、「体験して終わり」にならない学びを目指す。中高校生向けの修学旅行や大学生向けのゼミ合宿などに加え、企業・社会人向けの研修旅行、異業種交流研修旅行などのプログラムもある。

 本格販売に先立ち、10月上旬に「モデル実施」として関西の中学校を対象に試行した。畑での収穫体験を踏まえて食品ロスについて学ぶ企画や、米軍基地問題について地元住民らに話を聞いて考える企画などを実施した。体験を振り返る場も設けた。参加した中学生からは「考えが広がって深まり、面白かった」などの感想が聞かれたという。

(古堅一樹)