発表会や運動会で間違ったり、転んだりした時、すぐに気持ちを切り替えて、再スタートすることは大切です。諦めなければ遅れてもゴールにたどり着くことができるからです。しかし、それは自分のためだけにすることです。誰かに迷惑をかけたり、事実と異なることを言ったり、人を傷つけたら、一度立ち止まり、調べなおし、謝る必要があります。
辺野古の新基地建設の座り込みへ差別発言をし、時にはデマを流し続けるひろゆき氏。堂々と、笑いながら、差別発言を繰り返す彼を支持する人もいます。何より差別を助長するメディアは許せません。
差別が起きた時、対話では問題が解決しないことがあります。共有している知識や目指すものが異なる時、そして立場の上下関係があると、対等に話しをするのが難しいからです。話し合って歩み寄ることはいいことのように見えますが、差別を受ける側は何度も説明を求められることになり、疲弊します。無知な人と話し続けることで傷つくこともあります。対話という名の暴力です。差別をした時、話し合いではなく差別をした側が立ち止まり、耳を傾け学ぶことが必要です。
差別は誰だって、いつだってしてしまいます。毎日の生活の中で、女性よりも男性の声が大きくなり制度に反映されやすいのは、社会の仕組みを作る側に男性が多いからです。女性が社会構造の中で差別を受け、男性が加担しているといえます。
障害のある私も、階段しかなく利用できない建物への改善を求めても、資金がないなどの理由でエレベーターは造られず階段のみのままのことがあります。障害のない人の便利さや考え方ばかりが優先され、障害のある人は後回しにされるのも差別の構造です。
改善のために声を上げる必要性がある時点で、差別があるということです。差別をするのは個人の問題だけではなく、社会の仕組みが原因のこともあるのです。自分は差別をしていないと思っていても、社会構造の中では差別をする方に回っていることがあります。差別はとても身近なものなのです。
だからこそ差別が何なのか、どんな発言や考え方が差別につながるのか、差別をしたらどうしたらいいのかを学ぶ必要があります。差別をしないでおきましょう、ではなく、どんな時に差別が起こりやすいのか、そして起こった時の対処法を学べると、対等な社会に近づくと信じています。
いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。