第46回沖縄の産業まつり(同実行委主催)が21~23日、那覇市の奥武山公園と県立武道館で開かれる。新型コロナの影響で44、45回はオンラインと地域分散開催だったため、3年ぶりの奥武山公園での開催となる。意義などについて、古波津昇実行委員長に聞いた。
―今回の産業まつりの意義は。
「44、45回はまつりを途切れさせないことを最優先に、オンラインと規模を縮小して地域分散開催とした。意義は十分にあったが、出展数を制限したのでとても心苦しかった。今回は奥武山公園、県立武道館での開催で県産品の良さ、ものづくりの技術を幅広く伝えるという産業まつりの本来の役割を果たすことができる。食品メーカーはここでエンドユーザーに試食してもらい、リアルな声を得ることで商品改良や新商品開発につなげてきた。県立武道館での技術展示は昨年、おととしの分散開催では実施できなかったので、今回実施できるのは大きい」
―見どころは。
「コロナ前と同じ形にするために何が必要か検討を重ねてきた。密にならないよう会場の面積を広げ、一部出展ブースの向きを変えた。食べ歩きの禁止、短時間飲酒の呼び掛けなど感染体制には特に力を入れた。県内ではこの後、離島フェア、花と食のフェア、リゾテックなど大規模イベントが控えている。反省点も含めて生かしてほしい」
―出展数は。
「319企業・団体・個人が出展する。3年前の490に比べると、35%減少した」
―なぜ減少したのか。
「長期に及ぶコロナ禍で企業はだいぶ打撃を受け、まだ厳しい。産業まつりへの出展は出展料だけでなく、まつり期間中に人を配置したり、展示物を作ったり、ブースを作ったりと費用がかかる。その余力がない企業も多いということだ」
―県内製造業の現在の課題は。
「コロナ禍、円安もあるが、最も影響が大きいのは原油価格高騰。沖縄電力が400億円の赤字を予想している。電気料金が上がるという問題もあるが、もっと大きな問題は、もしも沖縄電力の経営が危うくなれば産業の屋台骨である電力の安定供給に影響が出かねないということだ。それだけは避けなければいけない」
―県産品の競争力強化には何が必要か。
「県内で必要なものは県内で供給できるという技術力。一方、これまで県内で育ててきた技術、知財で外からお金を引っ張ってくることも必要だ。たとえば、温暖化で県外で台風被害が増えている。沖縄は台風災害に強い仕組みを作ってきた。沖縄が持っているノウハウは強みだ」
(聞き手 玉城江梨子)