沖縄の産業まつりが21日から奥武山公園、県立武道館で開かれる。3年ぶりの奥武山公園での開催に産業界からは歓迎と期待の声が上がる。県産品が一堂に集まる産業まつりは多くの事業所が力を入れるが、中でも泡盛はこの時期に合わせて新商品を開発したり、会場でしか買えない限定商品を販売したりする酒造所が多い。
産業まつりの前になると、新聞紙面には泡盛の新商品を紹介する記事が増える。コロナ禍前の19年は、限定品や新商品を紹介する記事が11本掲載された。
各酒造所が注力するのは、産業まつりでの売り上げ規模が大きいことが理由なのか。県酒造組合の佐久本学会長によると、泡盛は熟成させて味を楽しむことができるため、コアなファンが会場で限定品をまとめて買っていくことはあるというが、業界の主な狙いはそこではないという。
この時期に発売するのは、まつりそのものでの売り上げというよりも、11月1日の泡盛の日やお歳暮商戦、年末年始でお酒を飲む機会が増える時期に向けての「需要喚起の意味合いが大きい」と話す。
もう一つ大きな役割は、ファンでない人に泡盛を知ってもらうことだ。「コアなファンだけでなく、一般の人の反応は商品開発の力になる」と佐久本会長は話す。
県の新型コロナの対処方針が緩和され、アルコールを提供するイベントの実施が可能となり、会場で試飲ができるようになった。佐久本会長は「泡盛に対して昔のままのイメージを持っている県民も多い。各酒造所とも毎年、新商品を開発し、泡盛は進化している。ぜひ新しい発見をしてほしい」と期待する。その上で最後に「でも、飲み過ぎには気をつけて」と注意も促した。
(玉城江梨子)