オリオンビール(豊見城市)は25日から、県内で発見した新たな酵母を使った新商品「オリオン ザ・プレミアム」を発売する。ビールメーカーが酵母採取から製造までを手掛けるのは異例。同社の村野一社長は20日の発表会見で「難しいからこそやろうと努力を続けてきた。われわれの誇りをかけた新しいビールができた」と胸を張った。
新商品はフルーティーな香りと、コクがありながらも苦みを抑えたスムーズな味わいが特徴。ラベルには深い青色を採り入れ、沖縄の海や自然の美しさを表現した。
同社は「ゼロベースからのビール開発」を掲げ、新たな酵母を探し出すことからプロジェクトを開始した。「コクはあるけど苦さ控え目」の味を理想として、県内で自生する植物から約3千のサンプルを集めた。2年をかけて、うるま市のシロツメクサから採った酵母「OB―001」を選抜した。
村野社長は「日本復帰50年、オリオンビール創業65年の年にこのビールを出そうと社員一丸で頑張ってきた」と語った。今後の沖縄由来の素材にこだわった商品開発にも意欲を示した。
アルコール度数は5%で、商品は350ミリリットル缶、500ミリリットル缶、500ミリリットル中瓶、10リットルたるをそろえた。オープン価格。たると瓶は県内のみ。缶は県内や奄美群島、同社ECサイトなどで販売する。
(當山幸都)