鉄筋で斜面の土砂崩れ防ぐ「フックホルダー」が優秀賞 トラスト工業 沖縄の産業まつり


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フックホルダーが優良県産品工業系製品部門優秀賞を受賞したトラスト工業の(左から)野原広猛社長、企画部技術営業課の野原猛竜主任=21日、那覇市の県立武道館

 3年ぶりに奥武山公園、県立武道館での開催となった第46回沖縄の産業まつり。21日午前10時の開場と同時に、開催を待ちわびていた多くの人が来場した。出展企業はそれぞれの技術力や商品開発力の高さをアピールした。物品販売のブースには多くの人が訪れ、商品の説明を聞いたり、試食をしたりしながら商品を購入していた。感染対策のため、会場入り口が設置され、検温と消毒が実施された。

 トラスト工業(南風原町、野原広猛社長)の、斜面の土砂崩れを防ぐためのフックホルダー(溶融亜鉛メッキ加工)が、工業系製品部門の優秀賞を受賞した。斜面に打ち込んだ鉄筋と、表面を抑える鉄筋を連結する商品で、活用することで土砂崩れの防止と自然の景観保護の両立ができる。

 同社と南城技術開発(那覇市)が共同研究・開発した「フィット筋工法」は、土砂崩れなどの自然災害が起こる場所で活用できる。植生シートに樹脂のネットを組み合わせた高強度植生マットを鉄筋で固定する。フィット筋工法は強度を保ちながら表面に緑が芽生えやすいという特長がある。

 フックホルダーはこの工法に用いる部品の一つで、野原社長は「県のお墨付きが得られ、設計者に商品を売り込みやすくなった。県内外に普及していきたい」と話した。

(與那覇智早)