琉球料理の魅力伝えたい ボリビア県系3世 金城晃アレックスさん


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料理の仕込みをする金城晃アレックスさん=12日、那覇市久米の「味と踊りの竜宮城うらしま」(大城直也撮影)

 ボリビア県系3世の金城晃アレックスさん(26)は、琉球料理人として活躍するウチナーンチュだ。那覇市久米の琉球料理「味と踊りの竜宮城うらしま」で働いており、料理人として今日も腕を振るう。子どもの頃、ボリビア移民1世の曽祖母が作ってくれた卵焼きに感動したのがきっかけで、料理人になりたいと考えるようになった。生まれ育ったコロニアオキナワでは、沖縄の文化が根付いていて、お盆などの行事で琉球料理に触れることがあったという。
 
 高校を卒業した金城さんは、幼い頃の憧れから、ボリビアの調理師学校への入学を決めた。調理師学校の先輩たちが沖縄に留学しているのを見ていたため、自分も沖縄で料理を学んでみたいと思い、留学を決意した。那覇市の松本料理学院で料理の基本を学んだ後にボリビアに戻り、ボリビアの調理師免許を取得する。
 
 その後は奨学金を利用し、東京の日本語学校で1年、那覇市の沖縄調理師専門学校で2年の留学を経て、日本でも調理師免許を取得した。そして晴れて今年の6月、「うらしま」で料理人デビューを果たした。
 
 得意料理は三枚肉や豆腐にこだわったゴーヤーチャンプルーと、泡盛やだしから丁寧に作るラフテーだという金城さん。将来はボリビアでも琉球料理を気軽に食べられるように、「ボリビアで自分のお店を開きたい」と笑顔で語る。
 
 金城さんは「ボリビアでは70年近い歴史でエイサーや舞踊、言語などが継承されているのに対して、沖縄の料理はぱっと思いつくものがない。行事・家庭料理を自分が次世代につなげていきたい」と力強く話した。
 (與那覇智早)

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<プロフィル>

 きんじょう・あきら・あれっくす コロニアオキナワ出身のボリビア県系3世。ボリビアの調理師学校、松本料理学院、沖縄調理師専門学校で学び、ボリビアと日本の調理師免許を取得する。現在は那覇市久米の「味と踊りの竜宮城うらしま」で琉球料理人として活躍する。

「ボリビアでも気軽に琉球要理が食べられるように、次世代につなげていきたい!」県費留学時代の金城晃アレックスさん。松本料理学院で琉球料理を基礎から学んだ=2015年、那覇市