故郷をつなぐ懸け橋に ペルー県系3世・長嶺ルーシーさん<世界のウチナーンチュ大会>


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三線を手にする長嶺ルーシーさん=14日、那覇市泉崎の琉球新報社(喜瀬守昭撮影)

 豊かな三線の音色に、透き通って響く唄。ペルー出身の県系3世、長嶺ルーシーさんは沖縄の古典音楽や民謡で人々を魅了している。

 2世の両親は共働きだったため、幼い頃は1世の祖母について回った。周囲にいるのは、沖縄文化をペルーでも実践する1世たち。沖縄の言葉や音楽はずっと身近にあった。

 お祝い事や模合など、1世が集まる機会に多く出掛けた。5、6歳の頃、祖母に習った「てぃんさぐぬ花」を歌うと、周りの人が喜んでくれた。「みんなの前で歌うのが一番の楽しみだった。お菓子やお小遣いもたくさんもらえたからね」と笑う。11歳から三線を習うようになった。

 1993年、三重県で開かれた全日本カラオケ審査協会の大会にペルー代表として参加。美空ひばりの「みだれ髪」を歌って優勝した。ペルーに帰る前に親戚を訪ねようと来県。祖母が好きだった沖縄の古典音楽や民謡が、生活に根付いていることを知った。「感動した。ここで音楽を勉強したいと思った」。音楽を続けるため、沖縄に残った。

「沖縄は一つと思っていたが、たくさんのシマがあって音楽も違う。その違いが面白い」

 日本語もほとんど分からない状態から勉強を重ねた。「新人賞に合格したら、次は最高賞。目標がどんどんできて、燃えた」。親戚の店を手伝いながら、どっぷりと沖縄の音楽につかっていった。「沖縄は一つと思っていたら、たくさんのシマがあり、音楽も違っていた。その違いが面白かった」。

 

 世界のウチナーンチュ大会で、ペルーの家族や友人に会えるのを楽しみにしている。「沖縄とペルーを音楽でつないでいきたい」と話した。
 (稲福政俊)

 

 

<プロフィル>

 ながみね・るーしー ペルー・リマ市出身。1993年、カラオケ大会に出場するため来日。94年に来県し、沖縄音楽を学ぶ。2010年、初CD「にぬふぁぶし」をリリース。13年、「恋のヨイスラ節」でROK新唄大賞グランプリを受賞した。