沖縄県内の在留外国人、19年の水準へ りゅうぎん総研 水際緩和で転入加速


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 りゅうぎん総合研究所(伊東和美社長)は25日、県内の在留外国人総数の推計について、2022年8月末現在は2万951人となり、20年末との比較で2416人(13・0%)増加していると発表した。政府が新型コロナウイルス感染症にかかる入国制限を緩和していることから外国人の転入する流れが加速しており、22年末には流行前の19年末と同水準まで回復するとみている。

 出入国在留管理庁がまとめる21年12月末時点の在留外国人統計に、県が発表する推計人口に関する外国人増減数の累計を合算した。

 在留外国人は19年の2万1220人から20年1万9839人、21年1万8535人と2年連続で減少。県内では近年、観光や飲食など対面型サービスを中心に人手不足が顕著となっているが、コロナ禍による入国制限が原因の一つと考えられている。

 リポートをまとめたりゅうぎん総研の宮国英理子調査研究部長は「(航空)国際線の再開でインバウンド(訪日客)の増加が見込まれるため、外国人人材の必要性はさらに増していく」と指摘。人手不足の解消に期待しながら、定住を促進するためにビジネススキルの養成や生活基盤を整える支援を自治体や企業に求めている。

 21年12月末時点の在留外国人統計では、県内に滞在する外国人1万8535人のうち、国籍・地域別で見るとベトナムが2622人で最も多いものの、前年末比では14・1%減だった。5位のネパールは入国制限の影響で同16・1%減で、コロナ流行前の19年末比では32・6%減だった。

 在留資格別では永住者が最多で、コロナ下でも伸び続けて同2・8%増の5527人だった。一方、2位の技能実習は同36・8%減の2177人。入国制限に加え、19年創設の「特定技能」に移行したことも影響した。

 特定技能は20年3月末は66人だったが、22年6月末には689人となり急伸している。

 総務省の住民基本台帳人口移動報告で県内外国人の移動を見ると、20年1月~22年8月の国内移動は707人の転出超過、国外移動が2963人の転入超過だった。

 (小波津智也)