沖縄戦継承へ思い新た ひめゆり資料館に平和賞授与


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沖縄平和賞を受賞したひめゆり平和祈念資料館の普天間朝佳館長(左から5人目)と財団の仲程昌徳理事長(同4人目)=28日、那覇市の沖縄ハーバービューホテル

 アジア太平洋地域の平和構築や維持に貢献した個人・団体に贈られる第11回沖縄平和賞の授賞式が28日、那覇市内で開かれた。受賞した公益財団法人沖縄県女師・一高女ひめゆり平和祈念財団立ひめゆり平和祈念資料館に、沖縄平和賞委員会会長の玉城デニー知事から賞状と賞(しょう)牌(はい)、賞金1千万円が贈られた。職員や関係者らは「大きな励み」と沖縄戦の継承と平和発信への思いを新たにした。

 同財団の仲程昌徳理事長は「沖縄戦体験を語り継いできたひめゆり元学徒たちに授けられたものだ。資料館の職員らは元学徒の思いを引き継ぎ国内外に発信し続けている。世の中が一段ときな臭くなっているだけに、活動は大切になる」と述べ、東アジアでの発信にも力を入れたいとした。

 資料館設立時からの職員で、4年前に島袋淑子前館長から引き継いだ普天間朝佳館長は「復帰50年の節目だが、私たちも戦争を知らない世代の職員が継承をバトンタッチしている大切な時で、賞は大きな励み」と語った。ウクライナ侵攻や台湾を巡る国際情勢の懸念に触れ、市民交流の重要性も強調した。
 (中村万里子)