沖縄で学んだ多様性 海外での看護活動語る、アジア欧州財団・藤井さん講演 世界のウチナーンチュ・ナースデイ


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世界へ目を向けるためにも看護職と他分野の協働が重要と説明する藤井まいさん=29日、那覇市の県立看護大学

 グローバル化が進む時代において、国際的視野を持った看護人材の育成を目指す「第2回世界のウチナーンチュ・ナースデイ」が29日、那覇市の県立看護大学で開かれた。第7回世界のウチナーンチュ大会の連携イベント。

 基調講演では、アジア欧州財団で看護師の藤井まいさんが「国際保健の仕事を通して見えてきた、看護職の行う医療保護への貢献」をテーマに登壇した。

 藤井さんは、1994~2006年に県内で看護師として勤務した後、世界保健機構(WHO)や国際協力機構(JICA)を経て、21年からアジア欧州財団で、ウクライナ周辺の難民支援や新型コロナウイルスの感染症対策に携わっている。

 福島県で育った藤井さんは琉球大進学により「多様な文化を受け入れる肯定感を学び、私の中の多様性も広がった」と振り返った。海外で活動するスタンスも「沖縄にいた時と変わらないので、皆さんも今の仕事に誇りを持って取り組むことが大事」と助言した。

 今後は「他分野との融合や協働が重要になる」として、看護職以外のジャンルを学ぶことも勧めた。

 講演後は、海外で活動する県出身の医療関係者が、日米の医療制度の違いやハワイの病院における感染対策などについて参加者と語り合った。
 (嘉陽拓也)