北谷浄水場、PFAS低減策強化で比謝川取水の停止を継続 長田・天願川は抑制


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 人体に有害とされる有機フッ素化合物(PFAS)が北谷浄水場の取水源である中部3河川・嘉手納井戸群から高い値で検出されていることを受け、県企業局がPFAS低減策を強化するために11月~2023年1月の3カ月間、北部ダム、海水淡水化センターからの取水量を増やすことが30日分かった。

 比謝川からの取水は再開せず停止を継続、長田川・天願川・嘉手納井戸群からの取水は21年度同期の半分以下まで抑制する。河川・井戸群からの取水量の合計は3分の1まで減り、浄水に含まれるPFOSとPFOAの合計を1リットル当たり4ナノグラムまで低減できると見込んでいる。

 企業局はダムの貯水率が高いこと、PFASへの関心が高まっていることなどを理由に、河川からの取水を停止し、井戸群からの取水を大きく抑制している。

 ただ、東系列導水路トンネル改築の22年度工事中(11月~23年1月)はダムからの送水量が減るため、河川・井戸群からの取水を再開して給水量を確保するとしていた。一方、PFAS低減のため、工事中も河川・井戸群からの取水を抑制できないか調整していた。

 配水管理課は、河川・井戸群から取水した場合も国が定めた水質に関するPFASの暫定目標値(1リットル当たりPFOSとPFOAの合計50ナノグラム)を超えていないことを強調。取水を3分の1まで減らした場合は、前年度同期平均21ナノグラムから本年度は4ナノグラムまでさらに低減できると見込んでいる。

 企業局は北谷浄水場のPFAS低減策として(1)中部3河川・嘉手納井戸群からの取水抑制(2)PFASをより吸着できる高機能粒状活性炭への入れ換え(3)トンネル改築工事中に国が管理する漢那、金武の両ダムからの取水量増―を行ってきた。 (安里周悟)