助産「婦」の、東です。東さよみ(助産婦)<未来へいっぽにほ>


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東さよみ(助産婦)

 こんにちは。助産婦の東さよみです。自己紹介や名刺には助産「婦」と表記しています。正しくは助産「師」ですが、先生ではないので「婦」を使っています。ジェンダー平等が叫ばれる中、「師」で統一するのがいいかもしれません。棋士や宇宙飛行士、カッコいい職業は「士」だなー、助産士ならいいのに、と思いながら。

 日本で助産師は、女性だけの職業です。これもまたジェンダー平等に反しますが、ここは女性の特権かと、あえて「婦」を使う意味もあります。助産師を英語にするとmidwife。ここでもwife「婦人」です。直訳すると「半ばな婦人」。中途半端な感じです。

 言葉の通り、お産を助けることは誰にでもできます。赤ちゃんが生まれようとする力、お母さんが生み出そうとする力は大きなエネルギーです。それをサポートする力はほんのわずかなものだと、いつも思い知らされます。

 私は今、若年妊産婦シェルターで寮母をしています。寮母というのもジェンダー表現ですね。改め、寮スタッフをしています。10代ママの多くが予期せぬ妊娠だったと思いますが、そもそも健康でなければ妊娠はしません。お産は健康な心身の成すべき技です。若いママたちは大きな不安を抱えながらも、案外するりと安産となるケースが多いです。

 生まれようとする力と生み出そうとする力、母子初めての共同作業で命が誕生します。母子の出会いがあるように、私たちもたくさんの人と出会いながら成長していくのだと思います。今日出会えた人たちがどうぞ健康でありますようにと、日々の食事を作っています。