「自分で決める」経験が大切 「西の魔女が死んだ」梨木香歩著<司書の推し本>3


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「人生を生きるヒントが見つかるかもしれない」と話す鎌田葉月さん

 若者の活字離れ、読書離れが指摘されて久しい。学校からは「図書館離れ」に嘆く司書の声が聞こえる。読書活動推進を目的に、新企画「司書の推し本」では、子どもたちに読んでもらいたい「推し本」を、学校図書館の司書に紹介してもらう。

[推しポイント]「自分で決める」経験大切

 予測不可能な時代を生きる中で、「自分の頭で考える力」は重要なスキルの一つだといわれています。まいと祖母の生活はまさにその力を養うものでした。「自分で決める」経験こそが大切だと気づかされます。感受性豊かなまい、両親、祖母が、時には悩みながらも自ら考えて発する言葉には力があります。子どもも大人もあらゆる視点から読んでほしい一冊です。
(伊集涼子・那覇市立城北中学校)

[あらすじ]少女の成長物語

 いじめにあって中学校へいけなくなったまいは、夏の間、田舎の祖母のところで生活することに。祖母の家系が魔女の血筋だと知り、まいは大好きな祖母の元で「魔女修行」を始める。

 この魔女修行で大切なことは「意思の力を強くし、何でも自分で決める」ということだった。祖母と過ごす中で、さまざまな感情や考え方を学んでいく少女の成長を描いた物語。