【識者談話】データの組み合わせでまちづくりを可視化 オープンデータ活用を 志良堂猛史・りゅうぎん総合研究所特命部長


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志良堂猛史氏

 今後、少子化と超高齢社会の到来で社会福祉費の増大は避けられない。これまでのような人口増加を前提としたまちづくりは限界を迎えるため、『まちづくりのDX』を進めないといけない。島しょ県の沖縄は社会課題が多い上、地域資源も限られている。現実の世界で収集した物理情報を基にサイバー空間に建築物を再現する「デジタルツイン」の技術を活用したシミュレーションが必要となってくる。

 プラトーの立体的なデータと他のデータを組み合わせるとまちづくりを可視化できる。人流や交通渋滞の予測データなども含めた3Dイメージを共有することで住民の理解を促し、合意形成を加速化できる。全国自治体ではプラトーの活用が進んでいるが、沖縄ではあまり知られていない。

 那覇市は最初からプラトーに参画しており、先行メリットを生かしてほしい。国交省はさらに参画都市を募集しており、県内の他市町村も手を挙げるべきだ。

 一企業や行政単位で課題解決を目指すのではなく、地域のリソース(資源)を組み合わせることによって生まれるオープンイノベーションを促進する必要がある。行政、企業は個人情報などを匿名加工した上でさまざまなデータのオープンを前提とし、二次利用を検討する必要がある。行政のオープンデータを活用した事例を企業や市民などで積み上げてほしい。