米軍オスプレイの不具合、防衛省が普天間飛行場配備前の2010年に把握 参院外交防衛委で答弁


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎
米軍普天間飛行場に駐機するオスプレイ=9月

 【東京】垂直離着陸輸送機V22オスプレイで機体のエンジンとプロペラをつなぐクラッチに不具合が生じる問題について、防衛省の町田一仁人事教育局長は8日の参院外交防衛委員会で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に海兵隊のMV22が配備されるより前の2010年に、防衛省としても不具合の問題を把握していたと明らかにした。山添拓氏(共産)への答弁。

>>防衛省はその後に答弁を修正

 クラッチの不具合で機体が制御できなくなる場合がある。米空軍は今年8月、事故につながる可能性があるとしてCV22の飛行停止を指示した。だが、不具合の原因が特定できないまま9月上旬に飛行を再開した。

 空軍仕様のCV22と構造的にほぼ同型のMV22を運用する海兵隊は、2010年からオスプレイのクラッチの不具合を把握していたが、パイロットの訓練などの対策を講じているとして、空軍の飛行停止期間中も運用を続けた。

 町田氏によると、防衛省は2010年に把握していたが、オスプレイは12年に普天間飛行場に配備された。陸上自衛隊もオスプレイを導入することを決めた後の16年には、防衛省・自衛隊の関係者は米国での操縦士の教育プログラムに参加し、クラッチの不具合を踏まえた教育を受けた。

 山添氏は「制御できず墜落に至りかねない機体だと隠して配備を強行したのか」と追及した。防衛政策局の安藤敦史次長は「海兵隊は普天間飛行場配備前に、既に安全に運用する手順を確立して乗組員に教育していたことを確認している」と述べるにとどめた。
(明真南斗)