琉銀、5年ぶり増収増益 23年3月期中間連結決算 与信コストが減少


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 琉球銀行(川上康頭取)が8日発表した2023年3月期中間連結決算(4~9月、対象子会社6社)は、売上高に当たる経常収益が前年同期比1・2%増の292億800万円、経常利益が同11・8%増の53億4600万円で、5年ぶりの増収増益だった。純利益は同17・7%増の37億1600万円。新型コロナ禍の影響緩和による与信コスト減少や、法人向けサービス、カードビジネスの堅調な推移が収益を押し上げた。

 銀行単体も増収増益で、経常収益は同4・8%増の203億2300万円、経常利益は同19・8%増の47億5500万円、純利益は同26・2%増の33億7900万円。本業のもうけを示すコア業務純益は同3・9%増の35億5200万円。

 貸し倒れに備える与信コストは新たな積み増しがなく、不動産業で引当額が大幅に減るなど10億9300万円の戻入益が出た。法人向けサービスやカードビジネスなどで構成される役務利益は34億3900万円と過去最高水準で、低金利を背景に伸び悩む預貸金収支の減少分を上回った。

 川上頭取は「コロナ禍前の水準の利益を確保している点は高く評価できる。法人向けやカード関連はさらなる成長が期待できる」と述べた。通期の業績予想は、金融市場の動向や物価上昇の影響を見極める必要があるとして変更していない。

(當山幸都)