海銀2年ぶり増益 23年3月期9月中間決算 利息収入減でも与信コストが減少


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 沖縄海邦銀行(新城一史頭取)が10日発表した2023年3月期中間連結決算(4~9月、対象子会社2社)は、売上高に当たる経常収益が前年同期比0.9%減の63億2300万円、経常利益が同77%増の11億3200万円で減収増益だった。純利益は同79.6%増の10億4300万円。貸出金利息収入は減少したが、昨年度積み増しした与信コストの減少などで経費が抑えられ、2年ぶりの増益となった。

 銀行単体も減収増益で、経常収益は同0.6%減の63億1400万円、経常利益は同80.9%増の11億4100万円、純利益は同82%増の10億4800万円だった。本業のもうけを示すコア業務純益は同24.1%増の9億1200万円。

 金融再生法に基づく不良債権比率は3.64%となり、前年同期比で1.82ポイント上昇した。条件変更による「要管理先」への見直しがあり、主に不動産業、宿泊業で債権残高が増えた。引き当ては昨年度下期で十分できているとして新たな積み増しはなく、与信コスト全体では8900万円の戻し入れ益が出た。

 新城頭取は「増収は厳しいと予想していたが、経費削減が進み利益が出てきた。4月からの中期経営計画が上々に進んでいると評価している」と述べた。通期の業績予想は金融市場や為替、信用コストの見極めが難しいとして据え置いた。
 (當山幸都)