公明県本新代表 上原氏に聞く  少子化対策に注力 普天間「国と信頼構築」


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代表就任の抱負や重点政策などについて語る公明党県本部の上原章代表=日、県議会

 公明党県本部の新代表に就いた県議の上原章氏(67)が11日、琉球新報のインタビューに答えた。抱負や重視する施策、今後の玉城県政との向き合い方などについて聞いた。

 ―抱負、党として力を入れる政策は。

 「県政の課題に、一つ一つ向き合い、市町村や離島を含め、県民の暮らしを守るという点で頑張っていきたい。新型コロナウイルスの第8波への対策をとりつつ、県内経済の回復に努めていく。原油高騰などの問題も重なってきている。中長期的には子育てをしっかり重視する施策を柱にして、人口減少や少子化にどう対応していくのかに力を入れていきたい」

 ―普天間飛行場の危険除去、辺野古新基地問題への対応は。

 「県本部としては、(普天間飛行場は)県外・国外移設が望ましいという旗は絶対に降ろさないと再三確認している。一方、国との裁判闘争で解決するのかというと、現実の負担軽減にはなっていない。普天間の一刻も早い返還が重要で、嘉手納より南の返還も進める必要がある。国と対話、信頼を構築しながら、基地軽減を進めなければならない。そこに公明党の闘いがある」

 ―政治家として考え方や背景を聞きたい。

 「沖縄市で生まれ、幼稚園途中から高校生まで名護市の辺野古で育った。基地の街にいた分、戦争は絶対に許されない、基地は当然ない方がいいという思いを持っている」

 「高校生の時、沖縄戦で子どもを失った女性の元へ何度も通い、話を聞かせてもらった。女性は『米兵も日本兵も憎くはない。憎いのは戦争だ』と話し、そのことが今でも心に残る。辺野古で過ごした当時はベトナム戦争真っただ中で、父親が営むビリヤード店にも多くの米兵が訪れた。ベトナム戦争へ向かう兵士らと接し、店の前では白人と黒人の争いも多かった。基地があるが故の弊害も目の当たりにしてきた。だからこそ、戦争に反対するという一線からは引かない。そこを根に置きながら、政治の中で意見する立場をとる」
 
 ―玉城県政への向き合い方は。

 「国と対立し、イデオロギーだけで、県民の暮らしは守れるのか、基地問題が解決できるのかは疑問だ。知事には県民代表として、国と胸襟を開いて協議してほしい。予算、基地問題にしても、話し合うための協力は党として続けていく」
 (聞き手 池田哲平)