農業と福祉の連携、可能性を話し合う 事業者が事例紹介「業務効率化につながった」 那覇でシンポジウム


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農福連携の可能性について話し合う登壇者たち=10日、那覇市の県立博物館・美術館

 農福連携推進シンポジウム(沖縄県農林水産部主催)が10日、那覇市の県立博物館・美術館で開かれた。県内外で農福連携に取り組んでいる事業者が現状を報告した。「作業効率化を考えた新たな手順の発見につながった」などの利点を挙げ、可能性について話し合った。

 「農福連携」とは農業と福祉が連携して、障がい者の農業分野での活躍を促進すると同時に農業経営の発展・継続にもつなげる取り組み。

 7年前から、就労継続支援A型事業所から施設外就労として障がい者を受け入れているみやぎ農園(南城市)は、障がい者が不安を抱えないように作業環境を整えたり、作業内容を組み替えたりしている。宮城盛彦会長は「職場環境を整えることで、障がい者以外の人も業務が効率化され働きやすくなった。農福連携なくして弊社は成り立たない」と話した。

 がらまんファーム(うるま市)の新里えり子代表は「福祉作業所の助けを得たことで、作業にかかっていた時間を経営に充てることができた」と小規模農家にとってのメリットを強調。「どんな特性がある人が、この作業に合うのかというマッチングが鍵となる」とコーディネーターの重要性を挙げた。

(玉城江梨子)