琉球王府との交流あった久米島の上江洲家、関係資料を王国時代から昭和まで1905点 一般向けの特別企画展も予定


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上江洲家関係資料の一つ、紙本著色・西洋船の図(久米島博物館提供)

 文化審議会が重要文化財に指定するよう文科相に答申した上江洲家関係資料は1905点の資料群からなる。17世紀以降に久米島の具志川間切で10代にわたり地頭代を務めた上江洲家伝来の一括資料で、文書・記録類1589点、地図・絵図類31点、典籍類114点、書画類82点、器物類89点で構成される。

 全ての資料が収蔵されている久米島博物館の主任学芸員、宮良みゆきさんは「琉球王国時代から昭和にかけて、多岐にわたる資料がしっかりまとまっているのは珍しい。歴史、文化史、経済史など多くの観点から貴重で、学術的価値が高い」と評す。

 文書・記録類や地図などの材質に和紙や絹、芭蕉などが使用されているとして、「風水害などの影響で保存が難しい中、状態の良いまま現存しているのはまれだ。上江洲家が大切に保管してきたたまものだ」と述べた。 上江洲家と王府の三司官との交流や、当時の人々の様子が垣間見られる資料を「後世に継承するためにも、今後も大事に収蔵していく」と話した。

 詳細な日程は未定だが来年、一般向けに特別企画展を予定している。

(照屋大哲)