人体に有害とされる有機フッ素化合物(PFAS)汚染の現状を学ぶ集会が19日、那覇市古島の教育福祉会館で開かれ、沖縄大名誉教授の桜井国俊さんが「沖縄のPFAS問題」と題して講演した。米国でのPFAS規制の動向のほか、汚染源を特定するため米軍基地への立ち入り調査が実現していない原因に日米地位協定・環境補足協定があると指摘。住民団体が実施した血中濃度検査の分析結果も説明し、日本政府による疫学調査と米国・米軍による汚染浄化などを訴えた。
学習集会は沖縄平和運動センターが主催し、約50人が来場した。
講演で桜井さんは、これまでの国内外での研究などから、PFASが低出生体重児、妊娠高血圧症候群、がんなどの要因の一つに挙げられていると指摘。米国では基準が厳しく強化されつつある一方、日本では米軍基地が集中する沖縄に特化した問題と捉えられていて「日米は知らんぷりをしている」と批判した。
取水源である中部3河川・嘉手納井戸群からPFASが高い値で検出されている北谷浄水場での対策については「県企業局が努力して低減させている」と評価した。ただ、渇水となった場合、河川・井戸群から取水せざるを得ない状況も想定されることから、「県民は企業局と連携して節水しないといけない」と呼び掛けた。
(安里周悟)