県は21日、第32軍司令部壕保存・公開検討委員会の第6回会合を那覇市の自治研修所で開いた。地上からの物理探査で第1坑道があるとみられる場所を検出できたと報告があった。今後、ボーリング調査でさらに詳しく調査するという。
県は本年度、未発掘の第1坑口や第1坑道の位置を特定するため、詳細調査を実施している。第1坑道周辺で行った「チェーンアレイ探査」では、地中の空洞や地盤の緩みがある場所を捉えたという。米軍が沖縄戦の時に調査した位置とほぼ同じ場所にあり、第1坑道だと推定されるとした。
一方、第1坑口の位置を特定するための「地中レーダー探査」では、坑口は検出できなかった。この探査は地表から2~3メートルの地中の状況を調べるもので、県の担当者は「土が上から流れてきたため、想定より深い位置に坑口がある可能性が高い」と述べた。
県は、第1坑道があるとみられる場所でボーリング調査を行い、空洞が確認できればカメラなどを入れて内部の状態を把握する予定。その延長線上にある第1坑口の発見にもつなげたいとする。
検討委員会では、本年度末に知事に手交する提言に関する意見も交わし、保存・公開のロードマップや沖縄戦を起こした日本軍の調査研究を盛り込むべきだという意見が出された。第2坑道内で新たな落盤が発生したことから対策の加速化や県の調査の取り組みを広く知ってもらう「見せる調査」を求める声もあった。 (中村万里子)