「美ら島おきなわ文化祭2022」の一環で、シンポジウム「文化力の未来―沖縄から考える文化の役割―」(同文化祭県実行委員会主催)が25日、那覇市の琉球新報ホールで開かれた。演出家の宮本亞門さんと歌手の宮沢和史さんが基調講演し、パネル討議で民俗芸能など沖縄文化の魅力や継承・発展について意見を交わした。竹富町や八重瀬町の民俗芸能などの実演もあった。約300人が来場した。
宮本さんは演出を手掛けた新作ミュージカル「カラテ・キッド」を米国で上演したことを挙げ「トランプ政権を経て新型コロナもあり、分断が進んだ。空手を通して沖縄で受け継がれる精神が伝われば何かが変わると思った」と強調。「不安な世界だからこそ文化の力が必要だ」と話した。
宮沢さんは三線に用いられる黒木を育てる「くるちの杜」、県内の民謡を記録する「唄方」などのプロジェクトを説明し「50年後、100年後にどんな島であってほしいか想像してほしい。イメージがあればたどり着ける」と語りかけた。
パネル討議は宮本さん、宮沢さんに加え神谷武史県立芸大講師も出席。ファシリテーターを狩俣恵一沖縄国際大名誉教授が務めた。
美ら島おきなわ文化祭は第37回国民文化祭、第22回全国障がい者芸術・文化祭の統一名称。 (宮城隆尋)