ペルーと沖縄の架け橋に 研修生の宮城津波古ダニーさん、久保田公民館で文化交流 沖縄市


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久保田公民館で交流を深めた、(左から)久保田自治会の佐和田辰夫会長、喜屋武穂華さん、宮城津波古ダニーさん、仲本大樹さん=11月18日、沖縄市の久保田公民館

 【沖縄】世界のウチナーンチュ大会に合わせて、沖縄市海外移住者子弟研修生としてペルーから来沖している宮城津波古ダニーさん(22)が、沖縄の文化をペルーで継承しようと奮闘している。宮城さんは10月中旬から約1カ月半、久保田公民館を拠点に三線やエイサー、うちなーぐちを学んだ。

 沖縄市の研修生受入事業は3年ぶりで、宮城さんは50人目の研修生。事業を受託した沖縄NGOセンター(宜野湾市)が研修をコーディネートした。同センターの新善朋子さんは「移民先で“沖縄”が脈々と引き継がれる一方、文化の継承や活動継続が難しい」と指摘した。「研修生が継承の責任を負うのではなく、多くの市民で研修生と関わり、みんなで継承する仕組みを作りたい」として、久保田自治会の協力を得て事業を進めた。

 青年会で地謡を担当する久保田自治会の佐和田辰夫会長が三線を指導。久保田青年会のオリジナル曲「守礼のしま」を伝授した。夜はこども会エイサーに交じり、エイサーを習うなど、地域と交流を深めた。佐和田会長は「ペルーでも三線を続けてくれるはず。プレッシャーを楽しみに変えて、沖縄とペルーの架け橋になってほしい」とエールを送る。

 久保田青年会の喜屋武穂華さん(21)も、宮城さんと交流を深めた一人だ。曽祖父がペルー生まれで、ペルーにルーツを持つ。「ペルーでは創作エイサーはあるが、青年会のエイサーはないと聞いた。ダニーさんとペルーで久保田のエイサーを広めたい。この出会いに感謝だ」と笑顔で話す。

 宮城さんは11月30日に帰国予定。宮城さんは「久保田の人たちは忍耐強く優しく練習に付き合ってくれた。ペルーに帰国したら、もっとウチナーンチュとして活動し、沖縄や日本の文化の知識を増やしたい」と意気込んだ。

(石井恵理菜)