県出身・平良響のチームが年間王者に 自動車スーパー耐久シリーズ 最終戦Vで有終の美


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎
1位でゴールしチームメンバーと抱き合って喜ぶ平良響(中央)(提供)
シリーズチャンピオンになり、チームで喜ぶ平良響(左手前から2人目)ら(提供)

 自動車レース・スーパー耐久シリーズ2022の最終戦は27日、三重県の鈴鹿サーキットで5時間耐久レース決勝を行った。ST―2クラスで、沖縄市出身・平良響(コザ高出)と荒川麟、奥住慈英の3人チーム「KTMS GR YARIS」が優勝した。平良組は今季、第1、2、4、6戦でも1位、第5戦で3位(第3戦は出場なし)になり、年間のシリーズチャンピオンになった。

 平良響は特別な思いを胸にレースに臨んでいた。ST―2クラスでKTMSのチームで走るのはこれで最後。「優勝して、シリーズチャンピオンを取って卒業したい」。その願いが乗り移ったように、車は安定した走行で堂々の1着。念願をかなえ有終の美を飾った。

 スーパー耐久に参戦して3年目。レース運びや車のセットアップなど多くのことを学んできた。昨年の24時間耐久レースは1位で走りながら、トラブルで棄権する苦境も味わった。今季は1年目のドライバー2人を迎え入れ、先輩としてチームを引っ張った。

 決勝は奥住慈英がスタート直後、最下位まで落ちるハプニング。しかし落ち着いて追い上げた。トップのまま代わった荒川麟はミスなく1位をキープ。再びハンドルを握った奥住が2位の後続に20秒差をつけ、最後の平良に託した。平良は「いつもよりペースが良かった」とたくましくなった2人に感謝した。ゴールすると3人で抱き合って喜んだ。

 平良はこれまでの走りが評価され、来季から最上位のST―Xクラスに出場する。トヨタ自動車の豊田章男社長の新チーム「中升(ゾンセン)ROOKIE Racing」の一員として、さらなる期待がかかる。「いつも通り落ち着いて自分らしくレースをすれば、結果は付いてくる」と気持ちを新たにした。
 (金良孝矢)