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“好き”を彩る部屋 <伊是名夏子100センチの視界から>136


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イラストも描き、手作りした結婚式の招待状

 引っ越しが無事終わり、部屋の中を整えることに追われています。それがとても楽しいです。なぜかというとここ10年以上、パートナーの会社が選んだ部屋に住んでいたので、自分で部屋を選ぶのは大学生の時以来でした。日当たり、風通しが気に入り、今の部屋に決めたので、リビングで朝日を浴びる度に、この部屋にして良かったと幸せになります。自分で選ぶと、幸せ度が増しますね。冬でも公園で日なたぼっこをしているかのように暖かいのですが、夏だと暑すぎるのではないか、と最近気づき、UV・断熱素材のカーテンを付けました。

 子どもが生まれてからは、子どもの安全とヘルパーさんの使いやすさを最優先に部屋を整えていたので、自分の使いやすさや好きなデザインを考える余裕すらありませんでした。しかし子ども2人も大きくなったので、私の好きなものを選べるかもしれない、と気づいたのです。リビングのある部屋に住みたいと思い、思い切ってダイニングの隣の和室の襖(ふすま)を外し、畳の上にウッドカーペットを敷き、リビングを作りました。

 ティーカップを飾ることも夢だったので、祖父母の家にあった40年以上昔の棚をリメークし、飾り棚を作りました。ずっと箱にしまってあったティーカップを飾ることができてうれしいです。大好きなデンマークのモビールも飾りました。電気照明も好きなものにしたいと欲が出てきて、メルカリなどでお手ごろのものに買い替えたり、布を張り替えてリメークしてみたり。ベランダのプランターにはチューリップを植え、咲いたら玄関に飾る予定です。

 引っ越し前には収納アドバイザーを友だちから紹介してもらうことができ、自分のやりたいことや、今までの収納の使い勝手を相談し、アイデアをいただきました。例えば食材を1カ所にしまう場所がなく困っていたので、押し入れの一角をパントリーにできたのがよかったです。背が低い私には使いづらかった洋服収納も、ベッド下につくるアイデアをもらったので、見やすく、使いやすくなりました。やりたいことをリストアップし、どうやったらできるかを考えて、試行錯誤を重ねながらひとつひとつ形にしていくことが、こんなにも幸せなことだと初めて知りました。

 今年も残すところ1カ月。住まいの心地よさを整え年末年始を迎えたいです。みなさんもやりたいことを終わらせて、年越しできるといいですね。


 いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。