玉城知事「子どもたちに平和な未来を」 辺野古設計変更巡る訴訟、法廷に向かう前の集会で語ったこと


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集会で裁判への意気込みを語る玉城デニー知事(左から3人目)=1日午後2時17分、那覇市楚辺(小川昌宏撮影)

 名護市辺野古の新基地建設阻止に向け、県が国を相手に起こした訴訟の開廷前、福岡高裁那覇支部前の城岳公園では、辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議による集会が開かれ、法廷で意見陳述に臨む玉城デニー知事を支持者らが激励した。玉城知事が「子どもたちに平和な未来を着実に届けるための戦いだ」と語って法廷へ向かうと、支持者らは拍手で送り出した。

 支持者を前にマイクを握った玉城知事は「地方自治を預かる長として、この問題は沖縄だけの問題ではないと思っている」と語り始めた。防衛省の設計変更申請を県は不承認としたが、国土交通相が裁決で取り消し、さらに承認を求めて是正を指示したのが、訴訟に至るまでの一連の経緯だ。「間違った審判がなされると、地方自治を預かる都道府県知事の権限をも脅かす」と、危機感を強調した。

 戦後の過重な米軍基地負担や近年の自衛隊増強に触れ「沖縄だけに安全保障の全てを担わせようとしている」と、国の対応を批判。「1日も早く、一つでも多く、平和のための県民の願いが進められるよう、裁判所には中立公平な判断を求めたい」と主張した。

 オール沖縄会議の高里鈴代共同代表は「国が押し進めることに抵抗し続ける知事を支える。意志を貫けるよう頑張っていきたい」と、県の姿勢を支持した。大城紀夫共同代表は「平和、環境、人権、あらゆる課題が山積する裁判だ」と、訴訟の重要性を強調し、ガンバロー三唱で団結を求めた。

 集会に参加した波平剛さん(80)=那覇市=は「(設計変更を巡る)国の行為は県に対するいじめだ。憲法は地方自治の大切さをうたっているのだから、裁判所は憲法の趣旨にのっとって判断してほしい」と訴えた。
 (稲福政俊)