辺野古新基地抗議の市民を県職員が移動促す 沖縄県「安全のため」 11月の塩川デイ


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「塩川デイ」で辺野古新基地建設のための土砂搬出に抗議する市民ら=22日午前、本部町の本部港塩川地区

 【辺野古問題取材班】本部港塩川地区で行われた名護市辺野古への新基地建設に対する抗議行動「塩川デイ」で、県北部土木事務所の職員が「速やかに移動してください」などと市民に促したことが分かった。抗議市民らは11月29日、名護市の同事務所を訪れて「抗議行動への妨害になる」と指摘し説明を求めた。同事務所は抗議行動を妨害する意図はないとして「安全確保のための声かけだ」と主張した。

 塩川は新基地建設のため、海上からの土砂搬出の拠点となっており、市民らは土砂などを積んだ大型車両の前をゆっくり歩く抗議行動を展開している。塩川デイは11月21、22の両日に開催され、通常より多くの市民の参加が見込まれたことから、同事務所職員が21日に6人、22日に4人派遣されたという。市民らは県警の機動隊などから制止されることはあったが「県職員が抗議行動に割って入ったのを見たことがない」と指摘。「なぜ安全確保を市民側ばかりに求めるのか」と訴えた。新基地建設に反対する、県の立場との相違を指摘する声も上がった。

 同事務所は「これまでも安全のため声かけはしてきた」と説明し「今後も安全対策を考えながら対応していきたい」などとしている。
 (長嶺晃太朗)