辺野古「K8護岸」土砂の陸揚げ再開へ 埋め立て工事加速か 環境監視委で報告


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沖縄防衛局

 沖縄防衛局は7日、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設工事に関して有識者が助言する「環境監視等委員会」を那覇市内で開いた。防衛局は護岸の延伸工事に伴い、辺野古崎付近の「K8護岸」を使った土砂の陸揚げを近く再開すると報告した。土砂を積んだ「ランプウェイ台船」がK8護岸に接岸できる場所は、延伸前より1カ所増えて2カ所となる。運べる土砂の量を増やし、埋め立て工事が加速する狙いがある。

 米軍キャンプ・シュワブ北側では「K9」、「N2」護岸にも各2隻ずつ接岸できる場所が設けられており、ランプウェイ台船が接岸できる場所は6カ所になる。

 防衛局の担当者は「(接岸場所を)同時に使うかどうかは作業の進ちょくによって変わる」と述べるにとどめた。

 K8護岸は土砂の陸揚げを2月末で停止。3月に延伸工事に着手し、全長515メートルのうち440メートルまで造った。工事現場から約300メートル離れた地点には大型サンゴ2群体が生息しているが防衛省は移植せず工事を進めた。

 その他、委員会では絶滅危惧種のオキナワハマサンゴの移植に関連し、比較のため観察していた移植先に従来から生息していた辺野古崎沖合のオキナワハマサンゴ1群体が死滅したことも報告された。防衛局側はサンゴが寿命を迎えた可能性が高いとし、工事の影響には否定的な見方を示した。
 (知念征尚)