「『夢』という言葉は好きじゃない」ビートボクサーT・Kさんが中学生に語ったこと 沖縄・南風原


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生徒の前でプロのパフォーマンスを見せるヒューマンビートボクサーのT・Kさん(右)とT・Kさんにバトルを挑んだ生徒(左)=11月30日、南風原町立南星中学校

 【南風原】南風原町立南星中学校で11月30日、国内外で活躍するプロのヒューマンビートボクサーT・Kさんによる講話が行われ、全校生徒が参加した。講話のタイトルは「夢」だったが、T・Kさんは「『夢』という言葉は好きじゃない。夢は見るものであって、なりたいものは夢ではなく『目標』だ」と指摘。自身の経験を語りつつ「大きな目標を達成するためには、小さな目標を立て、少しずつクリアしていくことで達成できる」と語った。

 ヒューマンビートボックスは口や鼻から出すさまざまな音を使って音楽を奏でるもので、ニューヨークで生まれたと言われている。元々音楽が好きだったT・Kさんは、22年前にビートボックスと出合い、その後、独学で技術を磨いてきた。

 会社員時代に、プロのビートボクサーとして自立することを決意し、そこから個人スポンサーをつけるなどして今ではビートボックス一本で生活できることに成功した。「目標達成には何が必要なのか順序立てれば、達成までの道筋が見えてくる」と助言した。

 講話後にはT・Kさんによるパフォーマンスがあり、プロの技術に生徒からは歓声が上がった。その後、質問タイムでは3年の男子生徒がT・Kさんにビートボックスバトルを仕掛け、場を盛り上げた。このほか、年収や練習時間などの質問が飛んだ。T・Kさんは練習について「好きだからずっとやっているだけで、練習と思ってやったことはない」と話した。

 講話を聞いた3年の生徒(15)は「初めてビートボックスを聞いた。口から二つ以上の音が出ていてびっくりした。目標を達成するために一つ一つ行動することの大切さを知った」と語った。

 (吉田健一)