【西原】西原町棚原出身でアメリカ・ミシガン州在住の伊波清吉さん(90)は、2020年に沖縄県指定無形文化財「沖縄の空手・古武術」保持者に認定されたが、コロナ禍で来沖できなかった。今回、世界のウチナーンチュ大会に合わせて3年ぶりに帰省し、このほど崎原盛秀西原町長を表敬訪問した。
清吉さんは「西原アイデンティティーの誇りを持ってアメリカで50年以上頑張ってきた。世界平和につながるフレンドシップ(友好)を大切にして空手を指導してきた。コロナ禍で外に出られなかった時も、私には空手があるから乗り越えられた」と静かに語った。
崎原町長は「うんじゅ(あなた)の名前はみんな忘れませんので、いつまでもお元気で、空手の普及も頑張ってください。棚原の皆さんも誇りだと思う。空手の保持者認定おめでとうございます」と述べた。
弟の清孝さん(元沖縄ウエートリフティング協会会長)は「兄が空手を愛し打ち込む心は、うやふぁーふじ(親祖先)を思う気持ちと同じだと思う。昔からずっとぶれない精神はすごい。尊敬している」と話した。
清吉さんは、ミシガン州立大学でも空手を指導してきた。ランシング市とグランドラピッズ市の名誉市民、さらに「伊波清吉の日」が制定されるなど「平和の武」である沖縄空手の指導発展に尽力している。
11月13日に西原町のさわふじ未来ホールで開かれた町文化祭では、特別演武を披露した。
(小波津昭子通信員)